障害者手帳をお持ちの方は、税金の軽減や交通機関の割引など、さまざまなサービスを利用できます。しかし「具体的にどんなメリットがあるの?」「等級によって違うの?」と疑問に思う方も多いはずです。
この記事では、障害者手帳で受けられる主なサービスや割引を、やさしい言葉でまとめてご紹介します。制度をかしこく活用して、毎日の暮らしを少しでもラクにしていきましょう。
障害者手帳とは?3つの種類をおさらい
障害者手帳とひと口にいっても、実は3つの種類があります。それぞれ対象となる障害や等級の区分が異なります。
- 身体障害者手帳:視覚・聴覚・肢体不自由などが対象。1級から6級まで
- 療育手帳:知的障害が対象。自治体ごとに区分が異なる(A・Bなど)
- 精神障害者保健福祉手帳:精神疾患が対象。1級から3級まで
受けられるサービスは、手帳の種類や等級によって少しずつ違います。お住まいの自治体によっても内容が変わるため、詳しくは市区町村の窓口で確認しましょう。
税金がやさしくなる!控除や減免のメリット
障害者手帳をお持ちの方は、税金の負担が軽くなる制度を利用できます。家計にうれしい大きなメリットです。
所得税・住民税の障害者控除
本人やご家族が障害者手帳をお持ちの場合、所得税と住民税で「障害者控除」が受けられます。
- 一般障害者:所得税27万円、住民税26万円の控除
- 特別障害者(身体1・2級、精神1級など):所得税40万円、住民税30万円の控除
- 同居特別障害者:所得税75万円、住民税53万円の控除
自動車税・自動車取得税の減免
障害のある方ご本人や、ご家族が運転する車について、自動車税や取得税が減免される制度があります。等級や使用目的によって対象が決まります。
その他の税金優遇
- 相続税の障害者控除
- 贈与税の非課税(特定贈与信託など)
- 預貯金の利子非課税(マル優制度)
交通機関の割引でおでかけがおトクに
通院や通勤、おでかけのときに使える交通機関の割引も大きなメリットです。
JR・私鉄・バスの運賃割引
JRでは、第1種の手帳をお持ちの方は介護者と一緒に乗車券が5割引になります。第2種でも、片道101km以上の旅行で本人の運賃が5割引です。
私鉄や路線バス、地下鉄でも同様の割引があります。事前に窓口で手帳を提示しましょう。
タクシー料金の割引
多くのタクシー会社で、運賃の1割引が受けられます。乗車時に手帳を提示するだけでOKです。
航空運賃・有料道路の割引
- 飛行機:12歳以上の方は障害者割引運賃が利用可能
- 有料道路(高速道路):事前登録した車に限り、通行料金が5割引
- フェリー:会社により5割引が一般的
公共料金や生活に関わる割引
毎日の生活に関わる費用にも、さまざまな割引や減免があります。
NHK受信料の減免
世帯全員が市町村民税非課税で、世帯員に手帳所持者がいる場合は全額免除。視覚・聴覚障害の方や、重度の障害をお持ちの方は半額免除になります。
携帯電話料金の割引
大手キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)には、障害者向けの割引プランがあります。基本料金や通話料、データ通信料が割引になります。
その他の生活サービス
- 美術館・博物館・映画館の入場料割引
- 動物園・水族館の入園料割引や無料
- 水道料金の減免(自治体による)
- 駐車禁止除外指定車標章の交付
医療費や福祉サービスの支援
医療や日常生活のサポートにも、手厚い制度が用意されています。
自立支援医療制度
精神疾患の通院や、身体障害の治療にかかる医療費の自己負担が原則1割になります。所得に応じた月額の上限額も設定されています。
重度心身障害者医療費助成
一定以上の等級の方は、医療費の自己負担分が助成されます。対象等級や助成内容は自治体によって異なります。
補装具・日常生活用具の給付
車いすや補聴器、義肢などの補装具、特殊寝台や入浴補助用具などの日常生活用具が、自己負担を軽くして購入・修理できます。
障害福祉サービスの利用
- ホームヘルプ(居宅介護)
- ショートステイ(短期入所)
- 就労移行支援・就労継続支援
- グループホーム(共同生活援助)
就労や住まいに関するサポート
働くことや住まいに関するサポートも見逃せません。
障害者雇用枠での就職
障害者手帳があると、企業の障害者雇用枠に応募できます。障害への配慮を受けながら働ける環境が整っているのが特徴です。
公営住宅の優先入居
多くの自治体で、障害者世帯は公営住宅への入居が優先されます。家賃の減免制度がある場合もあります。
申請や利用のときに気をつけたいこと
サービスを受けるには、いくつかのポイントを押さえておくと安心です。
- 多くのサービスは「申請」が必要。自動では適用されません
- 利用時は手帳の提示を忘れずに
- 等級によって受けられる内容が変わります
- 自治体独自のサービスもあるので市区町村に確認を
まとめ:制度を知って、暮らしをもっとラクに
障害者手帳には、税金の控除や交通費の割引、医療費の助成など、たくさんのメリットがあります。すべてを一度に覚えるのは大変ですが、自分に必要なものから少しずつ活用していけば大丈夫です。
「うちの自治体ではどんなサービスがあるの?」と気になった方は、ぜひお住まいの市区町村の福祉窓口に相談してみてください。専門の職員が、あなたに合った制度をていねいに案内してくれます。やさしさガイドでは、ほかにも福祉制度についてわかりやすく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。

