はじめに “その日”は突然やってくる
「親が亡くなるなんて、まだ先のことだろう」
そう思っていた私に、ある日突然その時がやってきました。
慌てて探した通帳、見つからない保険証券、兄弟との連絡の行き違い……。
このブログでは、法律と終活の専門家としての知識、そして実際に親を看取った経験をもとに、「親が亡くなる前にやっておくべきこと」をわかりやすく整理してお伝えします。
第1章 親と“死後のこと”を話しておく
避けがちなテーマですが、これは本当に重要です。
延命治療、葬儀、財産……本人が元気なうちに希望を聞いておかないと、あとで「こんなはずじゃなかった」と後悔します。
- 話すきっかけ:ニュースやドラマ、他人の葬儀の話題から入るのが効果的です。
- 確認しておきたいこと:延命治療の希望、臓器提供の意思、葬儀の形式、お墓の希望 など。

第2章 医療と介護の準備を整える
● 介護保険の申請は“元気なうち”に
親が寝たきりになってからでは遅いのです。
要介護認定の申請には1ヶ月以上かかることもあります。本人に拒否感があっても、地域包括支援センターなどを通じて早めに動きましょう。

第3章 お金と書類は“家族で共有”が基本
- 通帳・保険証券・不動産登記簿などの場所を把握
- ネット銀行や証券口座のログイン情報もメモ必須
- 認知症の兆しがあるなら、任意後見契約や家族信託も検討を

第4章 相続対策と遺言書の作成
相続トラブルの多くは「遺言書がないこと」が原因です。
- 公正証書遺言が最も安全・確実
- 相続人同士の連絡体制を事前に作っておくと後の揉め事を回避しやすい

第5章 スマホとSNSの“デジタル遺品”対策
今や高齢者でもスマホは必須ツール。
ですが、亡くなった後に「スマホのロックが解除できない」「写真を取り出せない」「SNSが放置されたまま」などの問題が急増中。
- ロック解除コードは必ずメモ
- SNS・LINEのアカウント整理も本人と一緒に
- ネット銀行やPayPayなどのデジタル資産も忘れずに

第6章 兄弟・親族との連携体制を作る
親が元気なうちに、兄弟で「誰が何をやるか」「どこに何があるか」の情報共有をしましょう。
- グループLINEを作って日常的な共有を
- 記録は“エビデンス”になる:会話はメモ、メールで残すのがベスト
第7章 葬儀・お墓の準備を話し合う
「本人は直葬でいいって言ってた」
「いや、ちゃんと送ってあげたい」
こんな意見の食い違いは、実際よくあります。
- 菩提寺の有無や宗派の確認
- 生前に見積もりだけでも取っておくと安心

第8章 実際にやってよかったこと・後悔したこと(実録)
- やってよかった:LINEでの兄弟間共有、通帳コピーの保管、エンディングノート記入
- 後悔したこと:パスワードの未共有、遺言書がなかったため不動産の名義変更に時間がかかった
まとめ 終活は“家族の安心”をつくること
死に向き合うことは怖いことではありません。
むしろ、「事前準備」こそが家族を守る最善策です。
あなたの大切な家族のために、今できる一歩を踏み出してください。
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